会長ブログblog

2023.09.30

米の等級

昨夜は天候に恵まれ中秋の名月がくっきりと姿を見せてくれた。

高温で湿気を帯びた太平洋高気圧に変わり、大陸から延びる
乾燥した高気圧に覆われて季節が進み空気も澄む。天体観測に
適した気候となり、お月様や星たちがはっきりと見える。
9月長月も今日で終わり、明日からは10月神無月に入る。

昨年10月1日は只見線が11年ぶりに豪雨災害から再開通を
果たした日だ。明日は下りの1番列車に手を振ってお迎えする。
上下分離方式という、線路や駅施設は地元自治体が維持所有し、
JR東日本が運行する方式での再開通で、全国初の試みとなる。

福島県と沿線自治体は大きな経済的負担をしても只見線を残す
覚悟だ。今、全国で自然災害により不通となっている鉄道区間
はいくつもある。それら地域の手本となるような取り組みで、
ローカル線の走る風景を残すには、負担に見合う効果が必要だ。

今夏の猛暑でコシヒカリの1等米が少なく、2等3等米評価で
価格が下がっているという。このほど魚沼地域のJAや関係者に
よる食味検査が行われ、等級に関係なく美味しいという。
私も新米を頂いたが、例年通りの香りや甘みと粘りだった。

ナスやキュウリの少し形の悪いのを想像すれば味に変わりがない
事は皆知っている。そもそも農作物に等級を付けたのは生産者側の
都合で差別化を図り、価格を上げるための手段だった。等級により
米価が下がるのは消費者にとってはラッキーかも知れない。

主食だから等級が下がっても流通に乗るが、野菜なら流通しない。
せいぜい直売所に廉価で出回るくらいだ。農作物に対する取り組み
姿勢を反省するきっかけになればよい。形の揃った農作物に価値を
見いだすのは、外見に惑わされ本物の味を知らない人たちといえる。

あめつちに わが悲しみと 月光とあまねき秋の 夜となりけり
                           (啄木)


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