会長ブログblog

2024.07.27

鮎のいない川

♪ 麦わら帽子は もう消えた たんぼの蛙は もう消えた ・・・

先週頃から越後三山の残雪は小出辺りからは全く見えなくなった。
今冬の小雪で例年より早く姿を消し、そうでなくとも暑い夏が
景色からも一層暑く感じられる。新潟県の梅雨明けはまだだが
来週にはそろそろ明けないと、立秋を迎えてしまう。

魚野川の夏といえば鮎。以前は小出周辺の中流域が有名で多くの
友釣り客で賑わった。簗場も浦佐と堀之内、川口に設置され
大型バスの観光コースにもなっていた。破間川にも下倉、島、
広瀬に簗が設けられていたが、今では広瀬だけになり寂しい。

川の表情も鮎の棲息に適し、右岸の柳原には船着場があったので
木工沈床が設置された水深のある淵で、左岸は玉石交じりの
浅瀬だった。近年、河川改修事業と上流部に大規模ダムや砂防
ダムが整備され安全と引き換えに河川環境が変わった。

ここ数年鮎は不漁が続き、小出周辺から釣り人が姿を消し石打や
湯沢で釣果が上がるようになった。かつて、石打から上流部は
水温が低く、苔も付きにくい流速だったから鮎に適した環境では
なかった。魚沼漁協の稚魚放流もあり良い漁場に変わった。

鮎は水質と苔の善し悪しで味が決まる。そして、鮮度が命の
魚でもある。活きた状態であってもエサのない生簀で一日以上
置けば、食味は著しく落ちる。それだけデリケートな魚だから
棲息河川の環境で名産地の名前が決まる。

川だけでなく海でも生態系に変化が生じ、うなぎの稚魚やさんま
の不漁は何年も続いている。地球温暖化だけに原因を求めても
気温や水温は原因の一つでしかない。環境問題は多面的に捉え
ないと抜本解決にはならない。

腹に引く 朱のなめらかに太りたる ふるさとの鮎食いつつかなし
                          (柊二)


カテゴリー:会長ブログ

タグ:

お問い合わせconatct