会長ブログblog

2023.04.22

山笑ふ

♪ 菜の花畠に 入り日薄れ 見渡す山の端 霞深し 春風 ・・・

権現堂山の南向き斜面から淡い緑色のブナが芽吹き、眠りから
醒めるように活動を始める。これからは映像の早回しのように
次々と新芽が出て、タムシバやマンサクなども色を添えてゆく。
広葉樹林帯の復活劇は生命力に満ち溢れている。

春に芽吹き、晩秋には落葉し、冬はひたすら眠っている広葉樹
は年輪を重ねながら成長してゆく。私たち人間は生まれてから
休むことなく年齢を重ね、最近では米寿や白寿も珍らしくなく
人生100年時代と云われるようになった。

鶴は千年、亀は万年などと云うが、実際には最も長寿なのは
人間だろう。長生きは幸せな事だが、社会的には様々な問題も
出てくる。医療、福祉など社会保障費の負担や、現役世代が
将来のために積む年金制度も財源が不足し破綻してしまう。

昔は介護施設などほとんど無く、家庭で面倒を見たものだが、
今では施設の空き待ち状態のようだ。老人性痴呆症が問題化
したのは有吉佐和子の「恍惚の人」の頃からか。老人性痴呆と
アルツハイマーという脳の病気が社会問題化した。

「ペコロスの母に会いに行く」や「ぼけますからよろしく
お願いします」など、老人性痴呆症をテーマにした映画や
小説も毎年のように作られるようになった。現実は厳しいが、
どこかユーモアを感じさせる行動が救いだ。

毎年一歳づつ年齢は増えてゆくが、高齢になると個人差が
顕著で、最近では100歳過ぎても矍鑠とした人もいる。
そう在るためには、日頃の生活習慣が大切だが元気な内は
不摂生な毎日を送っている自分がいる。それが現実だ。

散る花は数限りなし ことごとく 光をひきて谷にゆくかも
                    (上田 三四二)


カテゴリー:会長ブログ

タグ:

お問い合わせconatct