会長ブログblog

2021.10.30

小選挙区比例代表並立制

10月も終わり、新型肺炎禍に振り回された今年も残すところ2か月となる。

明日は衆議院議員選挙の投票日を迎え、12日間に亘り繰り広げられた選挙戦
に決着がつく。我が国の衆議院議員選挙制度は25年前に現在の小選挙区比例
代表並立制に変わった。それまでは中選挙区制で一つの選挙区の定数が有権者数
で配分され、新潟県中越地域の新潟第3区は定数5名の選挙区だった。

当時も政権政党は自民党で、野党第1党は社会党だった。新潟3区は自民党が
3~4議席、社会党が1~2議席を獲得していた。他に、共産党、民社党など
有ったが、議席を獲得するほどの得票は得られなかった。田中角栄元首相の
選挙区という事で、いつも全国注目の選挙区だった。

3区には、税制に強い大蔵官僚出身の村山達雄氏、通産が得意の渡辺秀央氏、
越山会出身の桜井新氏がいて、社会党の労組関係が推した小林進氏、農民党の
三宅正一氏、共産党は丸山久明氏などが立候補した。最も記憶に残るのは、
ロッキード事件後の1983年の総選挙だった。

父親が元新潟県副知事を務めた作家の野坂昭如氏が、全国注目の選挙区である
新潟3区から立候補し、選挙期間中いつもマスコミの記者が張り付いていた。
嫌が応にも注目度は増し、投票率も90%を超える町村もあった。良し悪しは
別に政治に関心の高かった時代だった。

現在、都市部では投票率が50%に満たないし、地方でも60%程度でしか
ないのは、政治に関心が無いのではなく、選択肢が限られている事も原因だ。
立候補者数が2~3人の選挙区が大半で、政権与党か野党連合かの選択では
有権者の声を代弁するのではなく、政権選択が問われるだけだからだ。

小選挙区比例代表併用選挙の目論むところは、欧米のような二大政党制による
政権選択選挙だが、我が国の現状は自民党に代わる責任政党が育っていない。
元来、日本人は以和為貴の精神だから、多様な価値を認め合う考えが強いので、
選択肢の多い中選挙区制の方が良い。選挙制度の改革が急務だ。

まちいまだ ふかく眠りて軒々に 秋のあしたの 川音ひびく (柊二)


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