2023.04.15
今年の魚沼は新学期とサクラの満開が重なる関東のような気候だ。
新一年生も春爛漫の中で入学式が迎えられ、嬉しさもひとしお
だろう。小学校の入学祝はランドセルに決まっていて、祖父母が
買ってプレゼントするのが世の慣わしのようだ。背負い型で手が
自由になるので、リュックが日常使いになる以前は合理的だった。
中学校の入学祝は万年筆で「中一コース」や「中一時代」という
生徒向け雑誌を定期購読すると付録でついてきた。当時、筆記用具
といえは鉛筆か万年筆でボールペンは一般的でなかった。だから、
万年筆を持つ事が中学校に上がった証明のような感じだった。
私の時代、小出中学校では男子は冬以外は下駄履きが当たり前で、
下駄を履くのも中学生の証明だった。高校生になると、汽車通学が
始まるのもあって、入学祝は腕時計と革靴だった。比べてみると
今では小学校のランドセルが最も高額な入学祝ではなかろうか。
我が国の最大の課題が少子高齢化による人口減少問題で、国は
子供家庭庁を新設し対策に取り組む。県や市もそうだが共通の
認識で子育て支援に重点を置く。しかし、そうした経済的支援で
実際に子供が増え人口問題を解決する効果が出るのかは疑問だ。
我が国の平均所得が一番多いのは東京都だ。最も低所得の県が
沖縄県だ。だが出生率は東京都が一番低く、沖縄県が一番高い。
今、必要な政策は人口は少なくても個性的で魅力的な地域づくり
ではないだろうか。地域の魅力が転入人口も増やすはずだ。
現行選挙制度も地方交付税交付金の算定根拠も人口比で決まる。
こうした制度は一見平等に見えるが、国全体で考えると大都市
偏重となり地方の衰退を招く、問題の多い制度だ。国土全体の
発展と居住地に関係なく国民の福祉に寄与する制度が望まれる。
ひさかたの 光のどけき 春に日に しづ心なく 花の散るらむ
(紀友則)
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