会長ブログblog

2022.03.05

啓蟄

3月に入り空気の色も明るく変わり、いよいよ春が近づいてきた。

虫たちが冬眠から醒め地上に出て活動を始める時候だが、未だすっぽりと
白い蒲団をかぶっていて、当分眠りは続く。パラリンピック北京大会も
今日から競技が始まり、パラアスリートたちの限界を知らない挑戦が繰り
広げられる。努力の成果を遺憾なく発揮し感動の大会にしてもらいたい。

ロシアのプーチン大統領が親ロシア系住民の多いウクライナ東部の2洲、
ルガンスク州とドネツク州を一方的に独立国家承認し、侵攻が始まった。
以前からウクライナ政府と東部2州の間では紛争状態だったが、ロシアの
介入により戦争へと発展した。

NATO加盟国は元より、国際的にプーチン批判が強まりロシアは孤立無援の
状態となりつつある。アメリカ、EUを始め各国は一斉に経済的制裁措置を
課し、ロシア経済は混迷に陥り急激にルーブルは値を下げた。長きに亘る
プーチン独裁時代の終わりの始まりだ。

私は1991年、旧ソ連時代に日本青年会議所国際室「日ソ関係委員会」
に所属し、当時の共産党青年政治同盟「コムソモール」との交流で、
モスクワ大学で資本主義経済を宣伝する活動をした。その年の年末に
ソ連が崩壊し、東西冷戦構造に終止符が打たれた。

当時の為替は、1アメリカドルが180円位で1ルーブルは240円、
ルーブルの方が高かった。ソ連の崩壊で米ドルよりも高かったルーブルは
紙くず同然となり、私たち日本人に接する学生達はどこか高い目線から
見下していた感じだったのが、暗く不安な表情へと変わっていった。

翌年、私たちが「日ロ関係委員会」と名称を変え、モスクワやサンクト・
ペテルブルグを訪問した時、街角にはルーブル紙幣の札束を米ドルに
両替してほしい人たちと街娼が溢れていた。国家が崩壊するという事は
こういう事かと、青年会議所時代で最も貴重な体験をした。

歴史に翻弄され続けたウクライナの一刻も早い平和を願わずにいられない。


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