会長ブログblog

2023.07.01

半夏生

♪ ほたるの宿は 川ばた楊 楊おぼろに 夕やみ寄せて ・・・ 

先週は県営奥只見レクリエーション公園各地で「ホタル観賞会」が
行なわれた。7時を回ってもまだ明るく、8時くらいから漸く暗く
なり、幻想的な光が優雅に飛び交う。明るく大きな光は源氏のオス、
少し控えめに光るのが源氏のメスと平家だ。

私たちの子供時分には、家の中に迷い入ってくることも多かったが、
今では公園や沢伝いの水のきれいな場所に行ってホタル狩りを楽しむ。
自然界にあって発光する生物はホタルくらいか。光には敏感に反応
するから人工的な灯りは禁物だが、音はあまり気にしないという。

一時期ホタルが激減し、ほとんど姿を見なくなった時期が有った。
当時、最も環境に悪影響を与えたのがコンクリート三面張り水路に
より水中生物の生態系が破壊されたからだと信じられていた。
それも一因ではあったが、より重大な原因は生活雑排水だった。

その証拠に、下水道が整備され生活雑排水を処理するようになって
からは、水路を改修せずともホタルは確実に復活してきた。勿論、
水路も流速を落とし、生物が棲みやすい多自然型護岸にすればより
良いが、そのために使える予算確保は現状難しい。

ホタルは光って美しいから好まれるが、同じ昆虫でもゴキブリは
嫌われ者だ。私たち人間は、理不尽な人種差別ならぬ昆虫種差別を
平気でやっている。同じことが、蝶と蛾でも言える。生物多様性は
地球環境の根源に係わる価値観だ。

今年も聊か乱暴な天候で、毎週豪雨に関する予報・警報が出され
注意を促されている。地球環境を壊している生き者は人間だけだ。
一方、環境保護活動が出来るのも人間しかいない。掛け替えの無い
地球環境を守り繋ぐのは現在を生きる私たちの使命だ。

恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす (都々逸)


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