会長ブログblog

2022.04.02

ドライブ・マイ・カー

新年度が始まり転出する人たちに別れを告げ、新たに転入する人達を迎える。

転勤のある大企業や、国や県に勤める人たちには避けては通れない試練だ。
家族と離れての単身赴任や、生活の拠点を複数持つ事は精神的にも経済的にも
大きな負担となる。人事異動が新聞発表され、覚えのある名前を見つけては
新たな役職に就かれる人や無事定年を迎える人もいて、それぞれ感慨深い。

今週はアカデミー賞の受賞発表があった。日本映画からは濱口竜介監督の
「ドライブ・マイ・カー」が作品賞にノミネートされ注目を集めた。
結果は作品賞こそ逃したが、’09の滝口洋二郎監督の「おくりびと」以来と
なる国際長編映画賞を受賞した。

アカデミー賞はアメリカ映画界の表彰であり、映画作品そのものの評価とは
一線を画す。今年の作品賞を受賞したのは、聾唖の家族を描いたヒューマン・
ドラマ「コーダあいのうた」だったが、’15に公開されたフランス映画
「エール」のリメイクで、個人的には「エール」の方が好きだった。

「エール」は小出郷文化文化会館でも上映したが、今年のノミネート作品には
「ウエストサイド・ストーリー」などリメイク作品が目立った。昨年文化会館で
上映したブータン「山の教室」も国際長編映画賞の候補に上っていたが、私たち
が文化会館で上映した作品がこうした場面で取り上げられるのは嬉しい。

アカデミー賞は話題性と受賞作の再上映などにより興行成績を押し上げるが、
日本映画はヨーロッパの世界三大映画祭の方が常連だ。カンヌでは個性的な
作品が重視されるため、黒澤明や今村昌平、是枝裕和がパルム・ドールを獲得
している。ベルリンでは、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」が金熊賞を受賞した。

ヴェネツィアでは芸術性が重視され、黒澤明や北野武が金獅子賞を受賞した。
新型コロナ感染症の影響でロードショーが延期になったり、ネット配信に
変わったり、映画界にも多大な影響が及んだ。映画は劇場の大画面と音響で、
他の観客とその場を共有する事でより大きな感動が得られる総合芸術だ。

テレビやネット配信ではなく、ぜひ映画館に足を運んでいただきたい。


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