会長ブログblog

2025.04.12

やさしい水

今週は県内各地で足踏みしていたさくらの開花情報が漸く届いた。

この時季、晴れれば初夏のような気温になるからさくらも直ぐに
満開になる。花の命の短さもこの花の特徴で、吹雪に例えられる
散り際の潔さは、軍服の七つボタンに象徴される。魚沼の開花は
もう少し先になるが、平場から山地にかけ順番に長く楽しめる。

五分咲きや七分咲きも良いが、満開から散り始めも見ごたえが
有るし、桜吹雪で花弁が舞う姿もとても風情がある。お正月や
お盆を迎える事よりも、花見が出来る事が一年を無事に過ごせ
た証になる。あと何回こうして花見が出来るのだろう。

豊富な雪解け水により魚野川に流れ込む水無川や佐梨川などの
水量が増え勢いを増す。水源から安定した花崗岩が多い谷間を
下る私たちの地域の水はミネラル分の少ない超軟水だ。
この水が決め手で魚沼に進出した甘酒工場が「魚沼醸造」だ。

信州の大手醸造食品メイカーがオーナーの会社だが、北海道から
九州まで全国の水質を調査した結果、超軟水の魚沼を製造工場に
選んだ。「おいしい水」は全国に多く有るが、魚沼市ではこの
伏流水を「やさしい水」として紹介している。

30年前に発生した阪神・淡路大震災で、工場が大被害にあった
お菓子メイカーの「本高砂屋」も、当時の湯之谷村に新規工場を
建てた。その時も当地の水質の良さが進出の理由となった。
実際に飲んでみると「やさしい水」という表現が理解できる。

魚沼市観光協会では「うおぬま水の回廊」という取り組みで
「尾瀬・奥只見」と「越後三山の伏流水」を、やさしい水の郷
魚沼市へようこそ、というパンフで紹介している。豪雪地なら
ではの豊富な水資源がこうした水関連産業を育んでいる。

さくら花 幾春かけて老いゆかん 身に水流の音ひびくなり
                     (馬場あき子)


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