会長ブログblog

2014.11.29

歌謡曲

♪ 病葉を今日も浮かべて 街の谷川は流れる ささやかな望み破れて ・・・

今頃の季節になるとどういう訳か昭和30年代に流行った沖縄出身の
中曽根美樹が歌った「川は流れる」という曲を思い出す。
横井弘が作詞し櫻田誠一が曲を書いた。 横井弘はあの時代ならではの
独特の言葉遣いで雰囲気のある詞を書いた。

三橋美智也にも「哀愁列車」や「達者でな」などの代表作を始め、数多くの詞を
提供した。 日本がまだ戦後の傷を引きずっている中で、新しい世界へと
変わってゆく過渡期には、古い時代と新しい時代を繋ぐ歌が必要だった。
倍賞千恵子の「下町の太陽」もそんな歌の一つだった。

今年の紅白歌合戦の出場歌手が発表されたが、正直言って知らない歌手が
名を連ねる。 AKB48と同じ「地域名+48」というグループが4組も出る。
ご当地アイドルという事なのだろうが、私には仲良しのお友達が自分たちが
楽しんで歌ったり踊ったりしている風にしか見えない。

毎年の恒例行事ではあるが、一年を締めくくる大晦日の夜、何の脈絡もない
老若男女が同じステージで歌や踊りを演ずるところを公共放送が流す。
こんな国はおそらく他にはあるまい。 昭和24年から始まって65回目を
数えるというからその間続いたことになる。

去年も同じような事を書いたが、前半若手、後半ベテランとか、JーPOPと
歌謡曲とかに分けてやった方が視聴者にとって良い気がする。
かつては各局競ってゴールデンと呼ばれる時間帯に歌謡番組を流したが、
今ではNHKの歌謡コンサートくらいしか残っていない。

歌が流行らなくなったのではなく、番組構成が面白くないのが原因だ。
テレビではどうしても画像を意識するからカメラアングルが決まってしまう。
一方、ラヂオでは人気の音楽番組がたくさんあるし、週末には赤坂泰彦や
近田春夫といった音楽パーソナリティーが活躍している。

白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり (牧水)


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