株式会社三友組 新潟県魚沼市の総合建設業

四月の風

年度末を迎え、来週は4月だというのに今週もなごり雪が舞った。

東京では既にサクラが満開を過ぎ、桜吹雪が舞っているのに我がふるさとは
未だ1メートルを超える雪の下でじっと春を待っている。
伊勢正三が「なごり雪」を創ったのは昭和49年だから、まだ在来線が全国を結び
汽車を待つ君がプラットホームに立って別れの時間を静かに待つ時代だった。

国鉄は主要路線の複線化と電化に取り組み、上越線も昭和40年代初頭には
複線化され電化もされたが、蒸気機関車もまだ走っていた。
電化後も起動車が独立していて、客車や貨車を連結して走る形式は汽車と呼んだ。
だから通勤・通学で国鉄を使うことを「汽車通」といった。

汽車という言葉は直接的には蒸気機関車やディーゼル車など、電気以外の力で
走る列車を呼ぶ総称だが、鉄道は須らく汽車だと思っていた時代があった。
東京に出てから当時の山手線や中央線、そして私鉄のことも汽車と呼んで
笑われた事を覚えている。

在来線は狭軌と呼ばれるレール幅の狭い鉄路だから、横に揺れやすい構造で、
レールのつなぎ目も伸縮余地を取ってあるので音がする。
その揺れと音のリズムが汽車の乗り心地の良さだ。 乗客にとってはあの音の
おかげで他の会話音などが打ち消されて、ある意味落ち着ける空間となる。

新幹線の車内は静かすぎるので、他の乗客の会話や携帯の着信音が耳に障る。
1車両に100人ほどの定員があるのに、寡黙な乗客はひたすら目的地を目指す。
車窓を眺めるでも無く、乗車してからずっと携帯ゲームに没頭している人たち。
乗客には注意を促しながら、車内販売やJRのコマーシャルは遠慮が無い。

4月は新しい年度がスタートする。 会社でも学校でも春の訪れと共に始まる
新年度は生命感に溢れ否が応にも期待が膨らむ。 雪国にとってはなおさらだ。
もう少しで景色も一変し、麗らかな新緑の季節が始まる。
変わることのない自然循環の中で、変わることが求められる新年度が始まる。

何ごとも 思ふことなく日一日 汽車のひびきに 心まかせぬ  (啄木)

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