会長ブログblog

2012.08.11

終戦記念日

立秋を境に空の表情が変わって、夏の積乱雲と秋の巻層雲が同居している。

昼はアブラゼミやミンミンゼミの喧しい蝉時雨が聞こえるが、夜はいつの間にか蛙の
合唱から涼やかな虫の声に変わってきた。 来週はいよいよお盆を迎え、会社も夏休み
に入る。 お盆が明けると一気に秋の気配が強くなり、小出祭が近づくと今年の夏も
駆け足で過ぎてゆく。

熊本民謡の「五木の子守唄」では盆から先はおらんと唄っている。 歌詞の内容は
貧しい子守奉公の娘が、薄幸な身の上を自虐的に語る詞だが、お盆やお正月でないと
実家には帰れない時代の切ない歌だ。 毎年、お盆やお正月には都会に出ている
家族が帰省するのも、そうした歴史の延長線かも知れない。

五木の子守唄とまでは言わないが、考えてみれば中学校を卒業して直ぐに就職列車で
都会に出た時代は、そんなに昔の話では無い。 昭和30年代は、まだまだそうした時代
であった。 学歴も技能も持たない15歳は、丁稚の名残りのような住み込みで働きに
出て、そうした人達が世界に冠たる日本の産業を下から支えた。

お盆といえば、8月15日の太平洋戦争の終戦記念日がかぶる。
ポツダム宣言を受け入れ、敗戦によって戦いは終わった。 敗戦国日本を統治する
戦勝国アメリカのゼネラル・ヘッドクォーター(GHQ)が設置され、その最高司令官が
あのダグラス・マッカーサーだ。

B29から厚木基地に降り立った、コーン・パイプを咥えレイバンのサングラスをかけた
姿が象徴的で、その恰好良さにアメリカ人に対する劣等感を持ったという。 
こうした登場の仕方が、考えられたものかどうかは知らないが、強烈な第一印象を
与えたことに違いはない。 心にくいまでの演出と言える。

あれから67年の歳月が経ち、戦争が風化しつつある。 一方でイスラム諸国をはじめ
アフリカやアジアの国々では未だ戦争状態の国がある。 国境線が直線で引かれている
国は民族や宗教に基づく歴史を無視して国を分けたから、常に危機を孕んでいるのだ
そうだ。 お盆は戦争と平和について考える機会でもある。

わが夏を あこがれのみが 駈け去れり 麦藁帽子を 被りて眠る   (修司)


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