会長ブログblog

2011.12.31

歳取り

12月31日、大晦日を迎へ辛い事が続いた一年も今日で終わる。

大晦日の夕食のお膳を「歳取り」と呼び、正月が来ると数え年が一歳増える。
今では満年齢で数えるのが一般的だが、子供の頃は数えで幾つになった? と聞かれる
事が多かった。 一日の始まりも今では午前0時だが、古くは日没をもって一日の始まりと
したから、元々大晦日の夕食は新年を迎える祝膳だった。

今でこそ年中無休とか、24H営業が増えてきたが、以前は大晦日~三ヶ日までは
商店も休業となり、世の中全てが正月休みに入った。 これは東京のような大都市でも
同じで、だからこそ一家揃って里帰りや温泉旅行に出かけるのが慣わしだった。
ヨーロッパのような長期休暇の無い国の、年末年始の決まりの行事だ。 

年末年始を故郷ですごす人々で高速道路が何km渋滞しているとか、新幹線の乗車率が
100%を越えたとか、毎年同じ情報をテレビで流す。 毎年同じ現象が起こり多くの人が
困っても、それを改善しようという話にならないのも不思議だ。 
道路の渋滞ほど、精神的にも経済的にも悪いものは無いのに、日本人は忍耐強い。

そうした渋滞や混雑がいやで、ゴールデン・ウイークやお盆も含め、こうした時期には
どこにも出掛けない。 出掛けないで家にいると、テレビを見る時間が長くなるが、面白い
番組が無い。 年末年始はお笑いとかバラエティーと呼ばれる番組が多いが、出演者ほど
見ている方は楽しくない。 ユーモアとかペーソスという感覚は完全に失われてしまった。

この暮れに母を送ったから、正月は服喪中で年賀は欠礼する。 新年賀詞交換会も
新年会も失礼するので、丁度良い休養がとれそうだ。 忘年会続きで傷めた肝臓にも、
暫くの休暇を与えなければ。 

亡くなった母は、正月は歳神様を迎えるから箒で掃き出してはならないと言って、
拭き掃除しかさせなかった。 正月からお金を使うと一年中お金に困ると言って、
三ヶ日はお金を使うのを嫌った。 神社・仏閣の境内ではお金を落とせと言って、
積極的に使わせた。 そうしたこだわりが、あの時代の人にはあった。

辛かった一年が今日で終わる、来年が良い年になることを願わずにいられない・・・


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