会長ブログblog

2011.09.17

老を敬う

今週12日は少し曇ったが天気は崩れず、お蔭様で中秋の名月が見事な姿を現わした。

今週は北の前線と太平洋高気圧の影響で真夏日が続き、何時までも暑かった。
出穂後の累計気温が1000度で稲刈りの適期を迎えるというから、この暑さで時期が
早まって慌しく刈り入れが始まった。 早稲品種から始まり、酒米ともち米が終わり、
コシヒカリが始まった。

稲刈りの時期が早すぎると、未熟の青米が混じり収量は落ちるが食味は落ちない。
遅くなると、過熟となり胴割れや茶色米となり収量は増えるが等級が下がり、食味も
悪くなる。 自然が相手の農作物は天候により出来具合いが左右されるので、人間の
力ではどうすることも出来ないから、神を祀り祈ってきた。

神事のなかでも最大の行事が、夏から秋にかけて行われる収穫祭だ。
今日は夏祭りの最後、堀之内十五夜祭の花火大会が行われ、明日の最終日には
神輿パレードと民謡流しで締めくくられる。 こうした祭事はすべからく神へ捧げる
奉納芸であり神楽だろう。 神への祈りこそ、自然に対する畏敬の念そのものだ。 

来週月曜日は「敬老の日」で連休になる。 平均寿命が延び、一方では年金制度の
問題もあって、65歳くらいまでは現役で働くのがあたり前の社会になった。 
老人は何歳から? 国では決めているが、個々には決まっていない。
その人の気持ち次第だと思う。 実際個人差が大きく、いつまでも若い人がいる。

私はまだ老人と呼ばれる年齢ではないが、それでも身体能力の衰えは隠せない。
特に人の名前をはじめ固有名詞が出てこない。 人間の記憶を司る脳の構造はビンの
ようになっていて、容量が決まっているという。 一杯になったビンに注ぎ足しても、
溢れ出るばかりだが、下のほうに溜まっている若い時の記憶はそのまま残るという。

わが国の老齢人口は、全体でも20%を優に超える高齢化社会となった。
それでも、人口構成がずっと少ない15歳以下が対象の「子供の日」に比べると、
祝日としての位置づけが軽い。 テレビで最高齢の方の紹介があるくらいで、
長寿社会の問題点ばかりが目立つ報道が多いのが悲しい。

帯しめて 祭りに行きし少年を 老いて思へば なべて須疑多里  (柊二)


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