会長ブログblog

2011.08.06

上弦の月

集中豪雨から一週間が経ち、被災状況が明らかになってきた。

地球の構造や気象条件で起こる地震や台風や干ばつなど様ざまな災害は、自然現象と
呼ばれ、この星に生きる全ての生物にとって避けられないリスクだ。
とりわけ人間は他の動植物と違い、衣服を着け建物を建て火を扱う事により、地球上の
全ての地域に住むことを可能にする文化文明を築いてきた。

それだけに他の生き物に比べ災害には弱い。 それでも過去の歴史が証明するように
必ず災害から復旧し、そこからより災害に強い社会を築いてきた。
今年は豪雪に地震に水害と立て続けにやられたが、相手は自然であり人間の力では
止めることは出来ないが、被害を防ぐ方法はある。

道路も河川も建物も災害の度に対策が成され、以前に比べ随分と強くなった。 
雪や落石から道路を守るために、スノーシェッドやロックシェッドが造られ、川には堤防が
築かれ、建物は耐震構造へと進化した。 これらの技術は災害の経験によって生まれた
もので体験を重ねる度に進化している。

地球という星が内包するエネルギーは私たちの想像を遙かに超える。 
コントロールする事は不可能だが、事前に対策を施すことは出来る。
「想定外」という言葉が「東日本大震災」以降度々使われたが、あらゆる自然災害は
想定外であり、分かっていて被害に遭ったとすればそれは人災だ。

気象庁は「平成23年7月新潟・福島豪雨」と名づけたが、名前からは印象に残らない。
台風の場合もアメリカのようにアルファベット順に女性の名前を付けるのも如何か?
と思うが、発生順に1号2号と数字で表すようになり「伊勢湾台風」や「第二室戸台風」の
ようには記憶に残らなくなった。 

人間は経験から歴史を創ってきた。 大きな犠牲を払った体験を無駄にせずより良い
明日を築いて行かなければならない。 その為にも災害の記録は語り継がれなければ
ならないから名前は大事だ。 気象庁には一考を促したい。
今日は七日月。 上弦の月が、様ざまな出来事を見守りながら静かに浮かぶ。

明後日8日は立秋を迎え、季節は秋へと移ろいで行く。


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