会長ブログblog

2017.04.22

雪流れ

4月の天気は、夏に近づいたり、冬に戻ったり、温度差が大きく落ち着かない。

破間川上流に位置する大白川集落を過ぎ「山の神トンネル」を抜けたところに
破間川ダムがある。 昭和50年代に始まったダム建設による補償工事で県道
浅草山~大白川停車場線が付け替えられた。 ダム湖の上流でひときわ目を引く
赤いアーチ橋「浅草大橋」は、その一連の工事で当社が架けた橋梁だ。

橋の左岸には現在「音松荘」と「浅草山荘」が登山客や自然体験学習の子供たち
を受け入れているが、あの一帯はかつて長岡営林署が管理する「五味沢貯木場」
だった所だ。 元々は木材運搬用だったトロッコ軌道を、トラック輸送のため
林道に改良する工事も当社が施工し、現在では一般県道として利用されている。

県道の先には、お花畑で人気の「浅草岳」や新潟県立の「エコ・ミュージアム」が
あり、これからの季節、登山や環境学習で賑わう。 その破間川ダムの湖面に固く
降り積もった雪が、春の訪れにより水位が上がり、水の力で一斉に、しかし、
ゆっくりと雪塊となって流れ出す珍しい自然現象が「雪流れ」と呼ばれる。

テレビや新聞でも取り上げられたことから、一目見ようと駆けつける人々や
カメラに収めようとする愛好家が多く訪れ、ちょっとしたブームになっている。
春先のこの時季にしか見られない自然現象だから、その分価値が上がる。
自然が創る造形は、時に美しく、時にあたたかく、又、時に脅威でもある。

大白川地区では集団で行う熊狩りもこの時季の行事だが、近年山の生態系に大きな
変化が起きている。 クマやカモシカ、ウサギなど従来から生息している動物の他、
以前見られなかった日本ザルや日本シカ、イノシシなどが出没するようになった。
気候風土が変ったのか、彼らの適応性が向上したのか分からないが心配だ。

今週月曜から春土用に入り、一昨日は二十四節気の穀雨、来月初旬の立夏へ向け
季節が動いてゆく。 花便りも東北まで上り、高田や鳥屋野潟などは既に葉桜へと
姿を変えてゆく。 魚沼の今春は気候が安定せず、山沿いでは雪交じりの日も
あって春までもう一息だが、小出辺りでは桜がちらほらほころび始めた。

♪ 春よ来い 早く来い 歩き始めたみいちゃんが 赤い鼻緒のじょじょ履いて ・・・


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