会長ブログblog

2011.07.23

金魚鉢と風鈴

台風6号が太平洋沿岸の四国から紀伊半島をかすめ東海沖から海上に抜けた。

一昨日は土用の丑の日で、一年で最も暑さが厳しい時季にあたる。
20日は台風からのフェーン現象が重なりとても暑かった。 台風が接近すると風が変わり、
空気はいつもより澄んで周りの山々がくっきりと見える。 空の色もいつもより青が濃く
雲の足は速い。 今回は南に台風が位置したから北の空が澄んでいた。

特に21日の午前中は雲量ゼロで快晴だった。 魚沼のように山に囲まれた地形では
雲ひとつ無い空は珍しい。 夏の台風は動きが複雑だ。 偏西風は弱く高気圧に沿って動く
から遅い上迷走する。今回も四国や近畿東海で被害が出たが、心配された震災の被災地
には直接的な影響は少なかったようで一安心だった。

最近は暑さ対策は専ら冷房の温度という話になり、電力不足だから扇風機も売れている
とか電化製品に頼った話ばかりだ。 元々日本家屋は高温多湿の夏に合わせて建てられ
ていた。 暖める事は容易でも冷やす事は難しいから、夏すごしやすい構造だった。
建具は簡単に取り外しが出来、窓にはすだれを掛けて風の流れを作った。

見た目でも涼しさは演出できる。 たらいの中でスイカやトマトが浮いていれば涼しい
感じがするし、夏の風物詩の一つ金魚鉢で泳ぐ金魚の姿にも涼を感じた。
服装も小千谷や明石の縮は夏に合うが、最近は麦わら帽子もあまり見かけなくなった。
打ち水を打ったり、夕方には河原に出て夕涼みをしたり、夏をすごす工夫は一杯あった。

風鈴は耳から涼を呼ぶ。 江戸ガラスは乾いた高い音、南部鉄器はやや低いが深みの
有る音色。 軒下に掛ける風鈴は、その家だけでなく周りの家や通行人にも涼を分ける。 
金木犀の香りもそうだが、日本人はそうした周りへの気遣いも考えながら生活を工夫
してきた。 

夏の音と言えば外せないのがボッサ・ノバだ。 「イパネマの娘」や「コルコヴァード」など
のヒットを出しボッサ・ノバというジャンルをポピュラーにしたクリード・テイラーの功績は
大きい。 アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトをスタン・ゲッツと組ませて
リリースした名盤「ゲッツ・ジルベルト」は洒脱で暑い夏にはピッタリだ。

♪ So close your eyes For that’s a lovely way to be Aware of things ・・・ (Wave)


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