会長ブログblog

2016.12.10

流行語大賞

今週5日に漸く平場でも初雪が降り、週半ばには雪国らしい銀世界となった。

12月も10日が過ぎ、日の入りが徐々に延びて来ている。 4時を過ぎると急に
暗くなり始める上旬に比べ、少しずつでも夕暮れが遅くなると気持ちも軽くなる。
昨シーズンは記録的な小雪で、生活は楽だったが、経済活動は停滞した。
今シーズンは雪国らしく丁度良く降り、スキー場や雪関連産業が成り立つよう願う。

一年を振り返る時期となり、10大ニュースや流行語大賞などが発表になる。
今年の流行語大賞は「神ってる」に決まった。 日本語では「神懸かっている」が
正しいのだろうが、25年振りとなる広島カープの優勝に貢献した鈴木選手の2試合
連続サヨナラホームランに思わず緒方監督の口から出た言葉だ。

私たちは言語で気持ちを伝えるが、言葉は時代と共に流行があったり変化する。
このところ、若者の間で携帯メールが普及してからは縮め言葉が流行るようになった。
一方、人や動物、モノなどの名前は変わることなく固有のものとして使われる。 
名称を付け、言い方を共有した言葉のお陰で私たちは便利に情報を伝達できる。

赤い花や白い花では数が多すぎて何の花か特定できないし、四本足の小動物では
犬なのか猫なのかそれとも野生の狸か他の動物か区別がつかない。
目に見えるものはあらゆるものに、目には見えなくとも感覚できる事にはすべて
名前を付けることによって、個々を区別したり、状態を伝えることができる。

だから言葉は大切であり、時代と共に変わってゆくとしても日本語の乱れは気になる。
今のようなインターネットの普及していない時代には、私たちは常に辞書を引いて
言葉の意味や文字を調べた。 自由国民社の言葉辞典「現代用語の基礎知識」は
毎年新語や流行語を追加しながら新しい言葉の解説をしてくれた。

あの当時はグローバル化でカタカナ英語や和声英語が流行り、そういう意味で
毎年新しい言葉が巷に溢れた。 だから「現代用語の基礎知識」は辞書としては
異例に売れた。 その版元だからこそできる新語・流行語大賞というイベントは
年末の恒例となり、国語としての日本語の乱れを助長した結果は皮肉だ。

君が着る えんじのコートにかすかなる 音にたつ程の淡雪のふる (柊二)

 


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