会長ブログblog

2010.08.14

蜻蛉のいない八月

白い雲に青い空、八月の空の色はコントラストがハッキリしていて絵のようだ。

朝方の雨模様が日中には晴れ上がり、空気も澄んで暑くなる。 空には積雲(綿雲)がポカリ
ポカリ。 午後からは積乱雲(入道雲)が立ち昇り、越後三山も雲の中。 夕方になると
大湯あたりは夕立模様で東の空が暗く変わる。 畑の野菜や田んぼの稲が夕立を待ち侘び
るが今日も天気は気まぐれだ。

夕立が空気中のリンやカリウムを雨に溶かして降るから、農作物にとっては給水と同時に
肥料の補給もすると、宮沢賢治の本で習った。 そこから雷を豊作の象徴として稲妻と呼ぶ
ようになった。 神社のしめ縄や相撲の横綱は、稲妻を形どった物だ。 農耕民族は自然
現象に敏感で空からの贈り物は、神から与えられたものとして、崇め奉った。

昨日は七十二候では、立秋の次候で「蜩鳴く」だった。 あぶら蝉やミンミン蝉は朝からよく鳴
くが、ひぐらしは夕方が似合う。 蝉は変わらずに沢山いるが、去年に続き今年もトンボの姿
を見ない。 蝉の幼虫は土の中ですごすが、トンボの幼虫は水の中だ。
中越大震災の時に、ヤゴの住む養鯉池が崩れ一年間復旧しなかったせいだという説もある。

数年前の鯉ヘルペスの流行で、ヤゴの住む池が消毒されたのが原因という話もある。
去年はトンボが居ないから、天敵から開放されたブヨが異常繁殖したとも言ったが、今年も
同じようにトンボは見ないが、ブヨはそう多く無いのはどうした事だろう?
原因は兎も角、二年間に亘ってトンボがいない現象は、やはりおかしい。 

自然環境が変わると、人間は不安に襲われる。 しかし環境を壊したのは人間自身でもある。
人間にとって好まれる生き物と好まれない生き物がいる。 トンボやホタルがいなくなると気に
なるが、ヘビや蛾が少なくなってもあまり話題にしない。 こうした身勝手な考えが例えば
「地球にやさしい」というような、勘違いに満ちた傲慢な言葉を生む。

人間も他の生き物同様、地球環境の中で生かされてきたモノたちの一つでしかない。
建設業もたびたび環境破壊の原因企業という目で見られるが、下水道の整備がホタルを
復活させたり、水生動植物を増やしている事を見れば、生活排水や農薬による水質汚染が
主因である事も立証されている。 地球環境はここ50年で著しく悪化し、大気汚染と温暖化
を進めてしまった。 こうした事態を変え環境を保全するのも、人間にしか出来ない仕事だ。

ふるさとの 盆の祭に 離りつつ 今宵酒飲む 孤りを見るな  (柊二)


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