会長ブログblog

2016.09.10

ノーマライゼーション

台風から変わった低気圧の影響で例年より早熟の稲穂が刈入れを待っている。

今月は暦の日巡りが旧暦と重なっているので、来週15日は旧暦8月15日で
中秋の名月を迎える。 旧暦8月は大の月で30日まであるから10月もまた、
日巡りが同じになり、13日の栗名月も同じ日付となる。 堀之内の十五夜祭は
3週の週末に移ったから、今年は十六夜の宵晩から始まる。

リオ・デ・ジャネイロのパラリンピックが今週から始まりオリンピック同様
12時間の時差で昼夜逆転の中継だ。 1964年の東京オリンピックの年に
パラリンピックに出場した選手の回顧録がNHKで放送されていた。
当時外国の選手たちと日本の選手とでは競技参加の姿勢が全く違ったと語る。

そもそも外国人選手の車椅子はスポーツ仕様で操作性に優れた競技用のもの
だったが、日本人選手のは病院用の車椅子そのままだったという。
日本では障害者は社会から外れた存在で、健常者とは一線を画されたグループ
として特別な目で見られていた時代だった。

外国人選手団の明るい表情とスポーツに真正面から取り組む姿をみて人生観が
変わったという。 今では日本でも障害を持つアスリートが人々に希望と感動を
与える存在へと変わった。 今大会のパラリンピックは22競技種目に増え、
障害の種類や程度によるクラス別となり、より公平な運営へと進化している。

半世紀以上も前の話だったが、翻って我が国の現状を考えるに心もとない。
アメリカやヨーロッパの町では何処へ行っても車椅子や白い杖が普通にいて
人びとの営みに溶け込み景色に同化している。 日本ではまだまだそうした
風景が当たり前というところまでは至っていないのが実態だ。

わが社も30年位前は、ろうあ者が2人、知的障害者も1人働いていた。
彼らもみんなと一緒に現場で汗しながらよく働き、立派に所帯を持った。
今のような養護施設や授産施設もなく健常者も障害者もみんなで社会を
作ってゆくことが当たり前の時代だった。

パラリンピックという素晴らしい競技会を通して未来の形が見えてくる。


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