会長ブログblog

2009.09.12

三十一文字に託す想い

越後堀之内の「宮柊二記念館」前に記念歌碑が建立され、9月11日に
除幕式が行われた。
観光協会でお招きをうけ出席してきた。

石碑は二基
「亡き父の ありし昔の聲のごと 魚野川鳴るその音恋ひし」
「冬の夜の 吹雪の音をおそれたる われを小床に抱きしめ之波波」
父の碑と母の碑として並んで建てられた。
母の歌の結びは「抱きしめしはは」とよみ「万葉かな」だそうだ。

宮柊二は堀之内出身の歌人で、傷心の身でふるさとをすて東京で北原白秋に
師事し、そのため家族への想いやふるさとをなつかしむ歌を多く詠んだ。
言葉は饒舌なれば軽くなり、足りなければ伝わらない。

短歌は心の有りようを短い言葉のなかで実にうまくあらわし、
万葉の時代から日本人に親しまれた、美しい言語芸術だ。
柊二の歌はあるときはもの悲しく、あるときは力づよい、
雪国の風情を感じる。

雪国の文化は、特異の風土がそだてる。
雪国の民であることを誇りに思って生きる勇気が
「みそひともじ」から伝わる。

「空ひびき 土ひびきして雪吹ぶく さびしき国ぞわがうまれぐに」
「夜もすがら 空より聞こえ魚野川 瀬ごと瀬ごとの 水激ち鳴る」


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