会長ブログblog

2016.07.16

夢で逢いましょう

♪ 夢で逢いましょう 夜が貴方を抱きしめ 夜が貴方に囁く 嬉しげに ・・・

あの頃、日本人が寝む時間は遅くても午後11時くらいだった。 午前零時を
過ぎて起きていることは珍しかった時代だ。 そんな時代の夜10時過ぎに
テレビのバラエティー番組の奔りといわれた「夢で逢いましょう」が放送された。
夢で逢うとは切なくもロマンティックな言いまわしでとてもおしゃれだ。

そんな番組の脚本を書いた永六輔の訃報が届いた。 83歳だった。
テレビ草創期の放送作家として、或いは流行歌の作詞家として大きな足跡を
残したが、テレビの情報伝達に疑問を唱え流行歌の詞も作らなくなって久しい。
ラヂオのパーソナリティーと江戸文化の伝承をライフワークとした。

六八コンビと呼ばれた中村八大とは、水原弘の「黒い花びら」で第1回レコード
大賞を受賞し、続いて数年前CMでリバイバルした「黄昏のビギン」を出した。
「上を向いて歩こう」はアメリカはじめ世界中でヒットチャートの上位に上った。
梓みちよの「こんにちは赤ちゃん」で2度目のレコード大賞にも輝いた。

ジェリー藤尾が歌った「遠くへ行きたい」は、気鋭揃いのテレビマン・ユニオンが
制作した旅番組のテーマソングにもなりロングヒットとなった。
演歌の大御所、北島三郎の代表作「帰ろかな」もそうだし、デュークエイセスが
歌った「おさななじみ」も二人の手による。

いずみたくとはロマンチックな曲想の「見上げてごらん夜の星を」がヒットし、
同じく坂本九が歌った軽妙だが説得力のある「ともだち」も佳い曲だった。
他にも「女ひとり」や「いい湯だな」「筑波山麓合唱団」等は男声コーラスを意識
してデュークエイセスのために書かれた曲といえよう。

それにしても、又昭和の語り部が一人逝ってしまった。 あの時代に活躍した
のだから年齢的にもそうした年回りになるのだろうが、寂しい。
最近話題の終活についても22年前に上梓しベストセラーを記録した「大往生」で
宗教人らしい死生観を見事に著わしていた。 ご冥福をお祈りしよう。

♪ 見上げてごらん夜の星を 小さな星の小さな光が ささやかな幸せを歌ってる


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